「祝福にあずからせる」 05.07.24
使徒言行録3:11〜10
私たちの人生には、驚くような出来事がたくさん起こります。
その中で最も驚くべきことは何でしょうか。
生まれてから40年間、ずっと足が不自由で歩けなかった人が
立ち上がり歩いていました。その人が神さまを讃美しているのを見て、
民衆は非常に驚きました。
そんな民衆に、ペトロは言いました。「わたしたちがまるで自分の
力や信心によって、この人を歩かせたかのように、なぜ、わたしたちを
見つめるのですか。」ユダヤの神殿にいる人たちですから、神さまが
恵みの働きかけによって、足の不自由だった男を癒したことは分かって
いました。
ただ、そのためには特別な力や、篤い信心が必要だと考えました。
それゆえ、ペトロに対する驚嘆のまなざしが向けられました。
しかし、ペトロは、そうではないと言います。力や信心の大きさ、強さで
なく、ただイエスさまを信じ、受け入れ、イエスさまと一緒に生きていこうと
願うかどうかだと言うのです。神さまの恵みの働きを受けるというときに、
大事なことは、神さまに対する行いよりも、神さまの業に身を委ねて
受け入れることです。
力や信心の強さに関係なく、イエスさまを信じる者を癒し、立たせ、
進ませる神さまの恵み深さを驚くべきです。
男が癒されたことに驚いて集った人たちに、ペトロは「なぜこのことに
驚くのですか」と言います。癒されたことは、驚いて当然の出来事では
ないでしょうか。それなのにペトロがこのように言うのは、男が癒された
こと以上の驚きに心を奪われていたからです。ペトロは続けて、
その驚きを語り始めます。「神さまが命の導き手として送ってくださった
イエスさまを、引き渡し、拒み、殺してしまった。しかし、神さまはイエスさまを
復活させてくださった。そうして、再び命の導き手として立ててくださった!」
ペトロは、イエスさまを拒み、殺した者を、なお永遠の命に導こうとして
くださる神さまのご愛の深さ、大きさに驚いています。
そして、そのような神さまの愛で包まれていることが、私たちの人生に
おける最大の驚きです。